絶縁材とは
フィルムヒーターの導電面(アルミ箔・ステンレス箔・銅箔・Ag薄膜層・透明導電性樹脂層・ITO膜など)の保護や絶縁をするために使用するフィルムやインクのことを絶縁材と呼びます。弊社では基本的にPETフィルムやポリイミドカバーレイ、絶縁インク(レジスト)を絶縁材として使用しています。
ここでは、両面テープの有無も含めて弊社で一般的に使用している絶縁材の種類をご紹介いたします。
絶縁材の種類一覧
タイプ | 絶縁材 | ヒーター固定用 粘着層の有無 |
耐熱温度 |
---|---|---|---|
Aタイプ | パウチ加工 (片面PET100μm) | なし | 80℃ |
Bタイプ | パウチ加工 (片面PET50μm) | なし | 80℃ |
Cタイプ | ポリイミドカバーレイ (熱硬化型接着剤) |
なし | 200℃ |
Dタイプ | 絶縁インク (ソルダーレジスト・熱硬化型) |
なし | 120℃ |
Eタイプ | PETフィルム | なし | 100℃ |
Fタイプ | PETフィルム | ヒーター片面に有り (強粘着・剝離フィルム付) |
100℃ |
Gタイプ | PETフィルム | ヒーター片面に有り (微粘着・剝離フィルム付) |
100℃ |
※ポリイミドフィルムはAL/PIヒーターの特注品のみ対応可能。
【Aタイプ・Bタイプ】パウチ加工 (片面PET100μm・片面PET50μm)
パウチラミネートフィルムを使用します。ヒーター基材の両面にラミネートする構成で他タイプと比較して厚みが出るので、フィルムヒーター自体にコシを持たせたいときはA又はBタイプがお勧めです。
また、絶縁をより強固に行いたい場合や防水を行いたい場合はパウチ加工が向きます。(完全防水ではありません)
接着剤に熱可塑性樹脂のEVAを使用している為、耐熱温度は80℃までとなります。
【Cタイプ】ポリイミドカバーレイ (熱硬化型接着剤)
一般的にFPC基板で使われることの多い耐熱性及び絶縁性の高いポリイミドフィルムです。耐熱性は200℃。
※AL/PI(ポリイミド)ヒーターの特注品のみ対応可能となります。
【Dタイプ】絶縁インク (ソルダーレジスト・熱硬化型)
導電面の上に印刷で絶縁層を形成します。厚み約15~25μmと絶縁層を薄く形成できるため、薄さが求められる用途で使用されることが多いです。耐熱温度は110℃まで。
但し、インクなので溶剤には弱く、溶剤が付着する可能性がある場所では使用できません。
【Eタイプ】PETフィルム・粘着層なし
ヒーター基材の導電面にPETフィルムをラミネートする仕様です。A・Bタイプは両面にラミネートしますが、Eタイプは片側だけなのでその分薄さがあります。
また、Eタイプはアクリル系粘着剤を使用している為、耐熱温度は100℃までとなります。
【Fタイプ】PETフィルム・粘着層あり(強粘着)
ヒーターの片側全面に強粘着の両面テープが付いてる仕様です。導電層と強粘着層の間にPETフィルムも介在している為、絶縁も施されています。耐熱温度は100℃まで。
注意点としては、強粘着なので一度貼り付けたら剥がせない(剥がすとフィルムヒーターが壊れる可能性がある)点です。加熱対象にがっちりと貼り付けたい用途に向いています。
【Gタイプ】PETフィルム・粘着層あり(微粘着)
ヒーターの片側全面にシリコン微粘着(自己吸着)の両面テープが付いている仕様です。導電層と強粘着層の間にPETフィルムも介在している為、絶縁も施されています。耐熱温度は100℃まで。
Fタイプの強粘着と比較して粘着が弱い為、再剥離・再貼付けが可能です。気泡抜けも良いです。但し、貼付け面の形状や素材によっては十分な密着力が得られない場合があるので注意が必要です。