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透明フィルムヒーターの製品概要
透明フィルムヒーターは、透明導電膜を有する透過率の高い面状発熱体です。発熱するエリアに配線がないため、視認性が必要な箇所の温めに適しています。また、ヒーター自体が薄いので、柔軟性や熱応答性に優れている点も特長です。
当社ではITO(酸化インジウムスズ)蒸着膜フィルムヒーターの代替として、材料の異なる低抵抗タイプと高抵抗タイプの2種類の透明フィルムヒーターがあります。その為、お客様の用途や条件に合わせて最適な仕様をカスタマイズしてご提案することが可能です。
また、面状ヒーターの設計・開発を自社で行っておりますので、お困りの内容が漠然とした状態でも、お客様のご要望に合わせてヒーターの仕様を相談しながら決めていくことが可能です。
透明フィルムヒーターの構成
- 基材 … PETフィルム
- 透明導電層 … 基材上に各種透明導電材で薄膜を形成したものが透明導電層になります。形成方法は導電材によって異なります。
- 電極(バスバー) … 導電性ペースト等をヒーターの両端に水平に配置する必要があります。
- 絶縁層 … PETカバーレイ(ラミネート)、PETパウチフィルム(ラミネート)、オーバーコート(印刷) etc.
- 端子部 … ラグハトメ etc.
※上記構成は一例です。お客様のご要望や使用条件により全てカスタマイズ品として作製しますので、積層構成は異なる場合があります。
透明フィルムヒーターの特長
高い視認性
当社の透明フィルムヒーターは、透過率が高く発熱エリアに電熱線がないため、視認性が必要な箇所の加熱に適しています。
全面が発熱
電熱線タイプのヒーターと異なり全面が発熱します。加熱対象にムラなく熱を伝えることができる効率の良さが特長です。
高い柔軟性
フィルムヒーターの厚みが約0.1~0.5mmと薄く柔軟で、円筒形などの曲面にも密着させることができます。
透明フィルムヒーターのタイプ別性能比較
現在当社には、ITO蒸着膜ヒーターの代替として、導電材料の異なる低抵抗タイプと高抵抗タイプの2種類の透明フィルムヒーターがあります。
製品名 | 抵抗値 |
透明性 | 導電層の形成方法 | その他 |
Ag薄膜透明フィルムヒーター | 低い | 配線見えなし 若干の黄色み |
特殊スパッタリング | 柔軟性高 |
透明導電性樹脂ヒーター | 高い | 配線見えなし 青透明 |
スクリーン印刷 コーティング |
柔軟性高、追従性有 湿気及び紫外線に弱い |
ITO蒸着膜ヒーター | 中~高 | 配線見えなし 若干の黒み |
蒸着 | 柔軟性中 マイクロクラックの恐れ有 |
※自社調べの参考データです。
透明フィルムヒーターの実績・用途例
主に視認性が必要なエリアでの曇り止め、結露防止、凍結防止、着雪防止、融雪用途での活用されています。
実績・用途イメージ
- 屋外監視カメラのハウジング窓の着雪防止、融雪
- 恒温槽窓ガラスの結露防止、防曇
- 水槽の結露防止、防曇
- ショーケース窓ガラスの結露防止や曇り止め
- クレーン運転室窓ガラスの結露防止
- 寒冷地向け信号及び道路標識の着雪防止
- 液晶パネルの低温環境下での機動性補助、応答性補助用ヒーター
- 生化学分野での分析装置用ヒーター
- 試験管など円筒ガラス管の加熱
- 装置除き窓の結露防止
- 光センサーあるいは監視カメラハウジングの曇り止めや結露防止
- ヘッドライトのLED化、自動運転システム化によるカメラやセンサーの標準装備、ドアミラーのデジタル化など次世代自動車関連部品の着雪・凍結による機能障害の防止
窓ガラスの結露防止
これまで曇りや結露で見えなかったものが透明フィルムヒーターで見えるようになります。上記画像は社内での結露防止実験の画像です。
自動車関連部品の着雪・凍結防止
LEDヘッドランプ、ミリ波レーダー、LiDAR(ライダー)、ドライブレコーダー等の着雪・凍結による機能障害防止
透明フィルムヒーターを使用した結露防止実験の動画
ガラスの裏面に透明フィルムヒーターを貼り付けた状態で、結露実験を行いました。
画面左側:ヒーター電源OFF、画面右側:ヒーター電源ON
上記以外にも様々な用途に活用できます。お気軽にお問い合わせください。
透明フィルムヒーターの基本仕様
透明ヒーターはお客様が想定されている使用目的や条件に応じたカスタマイズ仕様で製造しています。その為、下記基本仕様は参考程度にお考え下さい。
最大サイズ | 300mm × 420mm程度 (左記以上は要相談) |
最小サイズ | 要相談 (使用電圧と要求温度により異なる) |
製品厚み | 0.1~0.5mm程度 (端子部を除く) |
基材 | PETフィルム (PET以外は要相談) |
耐熱温度 |
最大120℃まで。
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端子部処理方法 | ハトメ(ラグハトメ)取付け、電極露出 etc. |
その他
- 透明フィルムヒーター自体に自己温度制御機能(PTC機能)はありません。別途温調器による電気制御やサーモスタット、PTCサーミスタ等の外部回路による制御が必要です。
- 電極(バスバー)はヒーティング部の両端に水平になるように配置する必要があります。
- 透明フィルムヒーターの評価用サンプルを当社Webショップで販売しています。御見積りも可能ですので、詳細はお問い合わせください。
- 透明フィルムヒーターに関するよくあるご質問(FAQ)はこちら
お問い合わせ~フィルムヒーター製造までの流れ
※上記は一例であり、お客様のご要望あわせて臨機応変に対応致します。
※試作品開発(特注品作製)のみでも承ります。
まずはお困りの内容をご相談下さい。054-689-0495受付時間 10:00-17:00(土日・祝日除く)
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