目次
- 製品の概要
- CNTフィルムヒーターの特長
- CNTフィルムヒーターの用途例
- CNTフィルムヒーターの構造や基本仕様
- よくあるご質問(FAQ)
- 評価用サンプル(規格品) 一覧
- 特注品のお問い合わせ~フィルムヒーター製造までの流れ
CNTフィルムヒーターの概要
![](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2022/09/cnt-heater-a6.jpg?resize=1024%2C683&ssl=1)
CNTフィルムヒーターは、新素材であるカーボンナノチューブ(CNT)を発熱体とした、フレキシブル性の高い薄型の面状ヒーターです。
熱線タイプのヒーターとは異なり、全面を均一に発熱させることが可能です。
また、遠赤外線の輻射熱効果に優れ、より効率的に加熱対象に熱を伝えることができます。
CNTフィルムヒーターの特長
■ 薄さ・軽さ・柔軟性の高さ
厚み0.3mm以下と薄く軽量で、高いフレキシブル性を持つ面状発熱体です。
■ 面全体が発熱する均熱性
熱線タイプのヒーターと比べて、面全体を均一に発熱させることができます。
![CNTフィルムヒーター サーモグラフィ画像](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2022/09/thermo_cnt.jpg?resize=320%2C240&ssl=1)
![アルミ箔フィルムヒーター 用途 サーモグラフィ](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2018/06/al-heater_for_products_5.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
■ 省エネ性 (ヒーター効率の良さ)
カーボン系発熱体であることから金属系発熱体よりも約4~5倍の遠赤外線を放射することが可能です。
面状発熱の伝熱と遠赤外線の輻射熱効果により、金属系発熱体に比べて省エネが期待できます。
![CNTフィルムヒーター 赤外分光放射率比較](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2022/09/5731c22f3d8110b6ee9a1264e03c785a.png?resize=1024%2C694&ssl=1)
■ 熱応答性の高さ
ヒーター自体の体積が小さいため電圧印加後の立ち上がりが早く、熱応答性が高いことが特長です。
![温度測定グラフ_CNTL-150-150Sシリーズ](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2023/10/graph_CNTL-150-150S.png?resize=1024%2C611&ssl=1)
経過時間毎の温度測定データ
![温度測定グラフ_CNTH-150-150Sシリーズ](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2023/10/graph_CNTH-150-150S.png?resize=1024%2C611&ssl=1)
経過時間毎の温度測定データ
上図は規格品の参考温度データです。印加30秒~1分以内でその条件の飽和温度までほとんど達していることが見て取れます。
CNTフィルムヒーターの用途例
このような目的の方におススメです!
- 面状ヒーターで遠赤外線の輻射熱効果を活用したい方
- 面全体が発熱するヒーターに興味がある方
- CNT(カーボンナノチューブ)に興味のある方
用途例
色の付いている事例は導入事例ページで紹介しています。
CNTフィルムヒーターの構造や基本仕様
CNTフィルムヒーターの基本構造
基本的には、発熱体となるCNT分散液(カーボンナノチューブ分散液)をPETフィルムやポリイミドフィルム上に印刷し、もう片面を絶縁フィルム等でラミネートした構造です。
CNT層の両端には、電流を均一に流すために平行な電極が必要になります。
![](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2022/09/kousei_cnt-heater.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
- 【基材 (絶縁層)】
PETフィルム、ポリイミドフィルム(高耐熱仕様) - 【発熱体(ヒーター部)】
CNT(カーボンナノチューブ)分散液を基材上にコーティング。 - 【平行電極 (バスバー)】
導電性ペースト、導電性テープ etc. - 【カバー層 (絶縁層)】
PETフィルム、ポリイミドフィルム(高耐熱仕様)、絶縁レジストインキ(印刷) etc. - 【端子部処理】
カシメ端子(ラグ端子、圧着端子)、平型クリップの取付け etc.
※上記は一例です。お客様のご要望や条件により、フィルムヒーターの積層構成をカスタマイズすることも可能です。
CNTフィルムヒーターの基本仕様
CNTフィルムヒーターはお客様の使用目的や条件に応じて仕様をカスタマイズして製造しています。下記の仕様は参考程度にお考え下さい。
弊社CNTフィルムヒーター製品には、「高抵抗仕様」・「低抵抗仕様」・「高耐熱仕様」の3種類の仕様があります。
耐熱温度 |
高抵抗仕様:常用80℃以下 (瞬間ではMax.100℃以下) |
低抵抗仕様:常用80℃以下 (瞬間ではMax.100℃以下) | |
高耐熱仕様:常用180℃以下 (瞬間ではMax.200℃以下) | |
表面抵抗値(シート抵抗値) ※端子間抵抗値ではありません。 |
高抵抗仕様:約150Ω/square |
低抵抗仕様:約30Ω/square | |
高耐熱仕様:約50Ω/square | |
作製可能サイズ | 最大:290mm × 450mm程度 最小:20mm × 20mm (実績ベース) ※電気的な仕様によっても作製可否が分かれますので、詳細はご相談ください。 |
製品の厚み | フィルム部:0.2 ~ 0.3mm程度 端子部:1mm程度 |
基材 | 高抵抗仕様、低抵抗仕様:PETフィルム |
高耐熱仕様:ポリイミドフィルム | |
遠赤外線 | [放射率] 55~90% ※金属系発熱体の場合、5~20%程度。 [範囲] 波長5nm ~ 20nm [温度] 50℃評価放射率 ※CNTメーカー調べ。 |
端子部処理方法 | ラグ端子や圧着端子をカシメて取付け、平型クリップ端子を圧着 etc. |
備考及び注意事項
- CNTフィルムヒーター自体に温度制御機能(PTC機能)はありません。別途温度コントローラ(要温度センサ)による制御やサーモスタット、PTCサーミスタ等の外部回路による制御が必要です。
- 電極(バスバー)はヒーティング部の両端に水平になるように配置する必要があります。
- フィルムヒーターは防水ではなく、基本的に水中での使用は想定しておりません。もし水中での使用をお考えの場合は、別途防水加工が必要になります。(防滴レベルなら実績有)
よくあるご質問(FAQ)
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CNTフィルムヒーターを試せるサンプルはありますか?
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評価用サンプルという位置付けで規格品(有償)をご用意しています。
規格品はサイズや形状、抵抗値、粘着テープの有無など様々な仕様でご用意していますので、ご要望に近い製品でお試し頂ければと思います。規格品のお買い求め先
- ヒートラボWebショップ (規格品リストは本ページ下部にも掲載しています)
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ヒートラボとの直接取引は可能ですか?また、販売代理店等はありますか?
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特定の販売代理店は設けておりませんので、直接のお取り引きが可能です。また、共通の商社様がある場合は商社経由でもお取り引き可能です。任意の商社経由の場合でも検討させて頂きますのでお問い合わせ下さい。
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CNTフィルムヒーターの納期はどの位ですか?
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ヒートラボWebショップから規格品を御注文頂いた場合は、ご入金確認後、1~2週間程度で出荷可能です。なお、数量が多い場合や受注状況によっては更にお時間を頂く場合がありますので、お急ぎの場合は事前にお問い合わせ下さい。
フィルムヒーターを特注される場合は、製作するヒーターの仕様や数量等によって納期が異なりますのでお問い合わせ下さい。
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CNTフィルムヒーターの特注品は依頼できますか?
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CNTフィルムヒーターの特注品は法人様、個人事業主様からのご注文のみ承ります。
初回は試作扱いでの対応となります。大変申し訳ありませんが、現在、個人様からの特注品のご注文は承っておりません。
※規格品ヒーターの端子変更やケーブル取付け等のカスタム品作製は対応可能です。
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特注品は最低何枚から対応可能ですか?
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ヒーター仕様を特注で依頼される場合、数量は最低1枚から承ります。
但し、1枚の作製だけでも設計費や版代など初期費用が必要になりますので、数量が少ない場合は合計金額が割高になってしまう可能性がございます。
詳細な金額は別途御見積りとなり、仕様決定後に算出可能です。
まずは要求仕様や条件をご教示頂き、作製可否を検討した上での見積対応となりますので予めご了承下さい。
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CNTフィルムヒーターに穴あけ加工はできますか?
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CNTフィルムヒーターに穴あけ加工をすることは可能です。
ただし、穴あけをすると電流の流れが変わるため均熱性が低下し発熱ムラが生じます。穴あけの位置や大きさによっても発熱ムラの状況は変わりますので、使用される環境下でご評価をお願い致します。なお、電極(バスバー)部分に穴あけすることはできません。
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問い合わせ時にはどのような情報があれば作製可否を検討して頂けますか?
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初回のお問い合わせ時に下記情報をご教示頂けるとスムーズに対応することができます。
- ヒーターの用途や目的
- 作製したいヒーターの形状やサイズ
- 印加電圧(または可変できる電圧の範囲)
- 使用する電源に電流や電力の上限があればご教示ください。
- 要求温度や希望抵抗値、希望ワット数
※要求温度:何℃の環境から、何℃まで昇温させたいのか。 - その他加工的なご要望(リード線を何m付けて欲しい、粘着テープを貼って欲しい等)
※初回から上記項目がすべて回答できない場合も多々あるかと思います。その場合は必要に応じて都度確認させて頂きますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
評価用サンプル(規格品) 一覧
ヒートラボのCNTフィルムヒーター製品をまずは評価したい、味見したいという方向けに、評価用サンプル(規格品)をご用意しています。製品1枚~ご購入頂けますので、お気軽にお買い求め下さい。
ご購入は下記リンク先のWebショップから、あるいは型番及び数量をご連絡頂き御見積りも可能です。御見積りご希望の際はお問い合わせ下さい。
CNTヒーター (高抵抗型) 規格品リスト
耐熱80℃(PET基材)・高抵抗タイプ (表面抵抗値 約150Ω/□)
外形サイズ (mm) | 端子間 抵抗値 | 参考温度データ | シリーズ名 (商品ページへ) |
---|---|---|---|
50×50 | 116.6Ω | 有り | CNTH-50-50S |
50×300 | 18.2Ω | 有り | CNTH-50-300L |
100×100 | 125.0Ω | 有り | CNTH-100-100S |
100×200 | 281.2Ω | 有り | CNTH-100-200S |
150×150 | 129.4Ω | 有り | CNTH-150-150S |
150×210 | 91.7Ω | 有り | CNTH-150-210L |
210×300 | 201.2Ω | 有り | CNTH-210-300S |
※端子間抵抗値の抵抗値公差は±20%です。
CNTヒーター (低抵抗型) 規格品リスト
耐熱80℃(PET基材)・低抵抗タイプ(表面抵抗値 約30Ω/□)
外形サイズ (mm) | 端子間 抵抗値 | 参考温度データ | シリーズ名 (商品ページへ) |
---|---|---|---|
50×50 | 23.3Ω | 有り | CNTL-50-50S |
100×100 | 25.0Ω | 有り | CNTL-100-100S |
100×200 | 56.2Ω | 有り | CNTL-100-200S |
150×150 | 25.8Ω | 有り | CNTL-150-150S |
150×210 | 18.3Ω | 有り | CNTL-150-210L |
※端子間抵抗値の抵抗値公差は±20%です。
CNTヒーター (高温耐熱型) 規格品リスト
高耐熱200℃(ポリイミド基材)・表面抵抗値 約50Ω/□
外形サイズ (mm) | 端子間 抵抗値 | 参考温度データ | シリーズ名 (商品ページへ) |
---|---|---|---|
準備中 | 準備中 | 準備中 | 準備中 |
※端子間抵抗値の抵抗値公差は未定です。
特注品のお問い合わせ~フィルムヒーター製造までの流れ
![](https://i0.wp.com/heatlab.jp/wp-content/uploads/2019/10/flow.jpg?resize=720%2C960&ssl=1)
※上記は一例であり、お客様のご要望あわせて臨機応変に対応致します。
※一点物の作製、試作のみも対応致します。
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